有田焼と焼きカレーをかけたコラボ・カレー
高崎の「だるま弁当」、横川の「峠の釜めし」に続き、器系駅弁のニューカマー「有田焼カレー」の話です。
2010年にカメラマンの田中勝明さんと有田を取材した際、JR佐世保線有田駅のキオスクで、有田焼の陶器に入った焼きカレーを発見しました。それが、有田焼と焼きカレーをかけた「有田焼カレー」です。
仕掛け人は、当時の西田辰実駅長。この方、佐世保駅長時代に「佐世保バーガー」をヒットさせた名物駅長らしいです。有田に赴任後も、集客アップを狙っていろいろと企画。その一つが、地元のカフェ「創ギャラリーおおた」の名物・焼きカレーとコラボしたこの駅弁でした。私たちが行った頃は、1日限定30個の販売(1個1500円)で、キオスクに頼めば電子レンジで加熱してくれていました。
もちろん、「創ギャラリーおおた」でもオリジナルの焼きカレーが食べられました。28種類のスパイスと佐賀牛を、1週間かけてじっくり煮込んだルーは、コクのある芳醇な味に仕上がり、これを地元産棚田米のご飯にかけ、厳選したチーズをトッピングして石窯オーブンで焼いていました。ただし、こちらは器のお持ち帰りはありませんでした。ただ、「創ギャラリーおおた」は専門の駅弁屋ではないので、いまどうなっているか検索したところ、2019年5月に「有田テラス」と屋号を改め、今も「有田焼カレー」を販売していました。新しい屋号は、「いろいろな人に集まってもらいたい」との願いを込めて変更したそうです。
で、西田駅長とのコラボを機に、有田町長を始め、役場の観光課や商工会の協力も得て、町おこしの一環として百貨店等のイベントにも積極的に参加。それにより、伝統産業の有田焼と、有田の食のジョイント企画が生まれ、有田に明るい話題を提供しました。
その一つが、2011年にデビューした「有田焼五膳」です。有田の新ご当地グルメとして、地場産の鶏肉が、焼きもの・酢のもの・煮もの・蒸しもの・揚げものの五つの料理に仕上げられ、この料理のために特別に開発された有田焼のオリジナル器に盛り付けられます。有田焼の器を楽しみながら味わうプレミアムな料理として、現在3店舗で提供されています。
一方、「有田焼カレー」の評価もうなぎのぼり。2010年度第7回「九州の駅弁ランキング」グランプリ、 お取り寄せ企画では日本一といわれる、雑誌『BRUTUS』による「日本一お取り寄せグランプリ2014」のカレー部門グランプリを始め、2023年には都道府県別ギフトのナンバー1「日本ギフト大賞ふるさとギフト最高賞」を受賞しています。
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